2019年新年のご挨拶


 

皆さま、あけましておめでとうございます。桜ライン311代表理事の岡本です。
本日より桜ライン311事務局も仕事初めとなりました。
2019年の新しいスタート、今年も無事にスタッフ一同にて新年を迎えることが出来ました。

東日本大震災から再来月で丸8年となります。中心市街地の復興が徐々に進んでいますが、一方では利用意思のない嵩上げ地の割合が非常に高いという調査結果が報道されるなど、時間の経過による諸課題も生まれています。街の復興というのは土地だけがあればいいというものではありません。これからが本当の意味でのまちづくりのスタートだと感じています。平成が終わり新しい年号が始まる今年。天皇皇后両陛下には被災地の訪問の際、直にお話をさせていただきました。陸前高田だけではなく足繁く東北に訪問をしてくださいました。ご退位に関して被災地の一人として大変感慨深く思っています。

昨日1月3日熊本で震度6弱の地震が発生、また先月12月22日にはインドネシアで火山性の津波が発生し多くの犠牲者が出ています。東日本大震災から時間が経過するごとに新しい被災地が増えていきますが、災害に対する備えの重要性は益々高まる一方だと感じています。

「私たちは悔しいんです」

この言葉を基に私たちの事業は始まりました。東日本大震災は未曾有でも想定外でもない、周期的に発生する災害です。この地域に生きる人々がそれを正しく認識し、それぞれが備えられていたらきっと1,757名(陸前高田市内、行方不明者を含む)という犠牲者はもっと少なく済んだのではないかと私たちは思っています。
東日本大震災の教訓を次の時代に伝え風化させないために、市内の津波最大到達地点約170kmに17,000本の桜の苗木を植樹する。2011年10月に事業を開始し、約7年が経過しました。

 

 

この地域だけではなく日本全国の皆さまに教訓をお伝えすることで、次の災害で亡くなる命を一人でも減らせたら、そのように考え今まで歩んできました。昨年度末時点で陸前高田市内301箇所、植樹本数1,497本、活動にご参加いただいた皆さまは5,463名となりました。震災直後から継続的にご参加いただいている方も大変多く、皆さまの共感とご参加により今年の春には1,500本を超え、来年の秋には1,700本を超える見込みとなっています。今もこうして多くの皆さまにご尽力とご協力をいただき活動を継続できていることに、心から御礼申し上げます。

 

次の災害が発生し続けていく中で、何故この事業が重要なのか、私たちはもっと伝える術を持たなければなりません。「今更なんで東日本大震災のことをやっているのか?」と言われることもあります。よくお伝えさせていただくことですが、東日本大震災の伝承とは一過性で完結するものではなく、連綿と続いてこそ達成できるものです。災害への備えを、自然への畏敬の念を、この国に住む私たちはもっと強く認識しなければ、犠牲者は減らないと思っています。そうしてこそ、私たちにとって、そしてあなたにとって大切な「命」が守られていきます。引き続き本年も、より多くの皆さまに知っていただき、共感し、参加したいと思われる事業として育てていきます。今月末には2019年3月の植樹会の募集をいたしますので、参加をご検討いただけたら幸いです。

 

私たちが植えた桜は早いものだと植えて2年程で花を咲かせます。最初期である2011年11月に植えたものの中には、毎年満開に近い花を咲かせるものもあります。震災の教訓を地域に根ざしたものとなるように、そして関わってくださる皆さまにとっても災害への意識を咲かせるものになるように、本年も理事、事務局一同活動を続けてまいります。

最後になりましたが、昨年ご厚情を賜りました皆さまに心から御礼申しあげます。本年も引き続き、ご指導とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。桜ライン311に関わるすべての方にとってご健勝の一年となることを祈念して、新年のご挨拶とさせていただきます。

認定特定非営利活動法人 桜ライン311
代表理事 岡本翔馬 理事・スタッフ一同

【年賀状について】
当事務局からの年賀状の送付は、原則、地域住民の皆さまのみとさせていただいております。本年も多くの皆さまより年賀状を賜っておりますが、いただいた皆さまへのご返礼は、植樹のより一層の進行と活動の意義をお伝えしていくことで代えさせて頂きたいと思います。何とぞご理解のほど、よろしくお願いいたします。

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