法人第13期開始のご挨拶


線状降水帯の発生による大雨被害が報じられています。まずは、被害にあわれた皆さまに心よりお見舞いを申し上げると共に、早期の復旧をお祈り申し上げます。

「私たちは悔しいんです。」という言葉のもと始まった桜ライン311も先日7月1日をもちまして法人13期の期首日となりました。組織を預かる身として継続の難しさを実感することも多々ありますが、皆さまのお力添えによりこうして事業を継続できていることに心から感謝申し上げます。

東日本大震災の大きな被害は津波によるものでした。必ず起きる次の大震災の時に、人的被害をどれだけ軽減できるか。それが東日本大震災の教訓を後世に伝えられたかということに直結していると私たちは考えています。そのための「伝承」です。
災害で生まれる悲しみを2度と繰り返さない未来を創る。このビジョンを達成するために、陸前高田市に避難の目印となる桜の並木を作り、保存し、その意味を伝承していくこと。そしてその過程に震災を経験していない人にも関わってもらい、災害を「他人事」(ひとごと)ではなく「自分事」に変えてもらうこと。今も設立時となんら変わらない私たちの願いと覚悟です。

2011年11月の最初の「桜」の植樹からまもなく12年。新型コロナウィルスの影響もあり、一時開催を中止した時期もありましたが、植樹事業にご参加いただいた方は7,831名、植えた桜は2130本となりました。植樹の許可をいただいた地権者さまは400名を超えています。目標としている17,000本までの道のりはまだまだ先ではありますが、この過程に多くの皆さまの共感とお力添えがあることが、私たちの原動力となっています。
初期に植えた桜は大きなものになり、花をたくさん咲かせるものも出てきています。同じように私たちの願いと覚悟も、皆さまの心のうちに減災への意識を育てていきたいと思っています。(減災:災害時において発生する被害を最小化するための取り組み)

今年の3月11日そして4月の満開時には、高田町浄土寺の桜のライトアップを実施いたしました。クラウドファンディングにご参加いただいた皆さまに心より御礼申し上げます。おかげさまでインターネットでの生配信を含め、多くの皆さまにご覧いただくことができました。お越しになる方の多さにとても驚くとともに、その様子を拝見して心から嬉しく思っています。夜間でも避難の目印として分かるように視覚化するという意味ももちろんありますが、それに付随して震災により多くの桜が失われたこの街において住民の皆さまの追憶の桜にもなったと感じました。今後も月命日開花時にライトアップを行い、多くの方にその意味をお伝えしていきます。

また5月にはコロナウィルスも5類へと移行になりました。流行以降の個別による植樹会実施形態で実施を続けてまいりましたが、この11月から12月にかけて実施をする秋の植樹シーズンは、どのように実施をしていくか団体内で協議を続けています。詳細が決まりましたら皆さまにお届けいたしますので、今しばらくお待ちください。本年度も引き続きご指導とご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

認定特定非営利活動法人 桜ライン311 代表理事 岡本 翔馬
役員・事務局一同

 

 

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