【第4弾】内藤宏章さま(聞き手:曽根原和花)


愛知県岡崎市にお住まいの内藤宏章さん(写真:インタビュー中の様子)

 

― 自分の目で被災地を見てみたい ―

東日本大震災が起こるまで、ボランティア活動に興味はありませんでした。震災後、テレビ番組の中で海外ボランティアをしている日本人の活躍する姿を見て、人のために何かをしている姿に感銘を受け、私も何かしたいと考え始めました。

そこで、まずは愛知県内で、被災地に送る救援物資をトラックに運搬するボランティアから始めました。そうして県内で活動をしていく中で、次第に自分の目で被災地を見てみたいと思うようになりました。

被災地で活動できるボランティアを探していたところ、勤務先の会社の協賛でもある「公益財団法人 鎮守の森のプロジェクト」を知り、宮城県岩沼市で広葉樹を海岸沿いに植樹するボランティアと、岐阜県の「KIプロジェクト」で東北へのボランティアバスに参加しました。

鎮守の森のプロジェクト参加から、岩手県でも植樹活動が行われているのか気になっていたところ、KIプロジェクトからもらったチラシで桜ライン311の存在を知りました。そこで、インターネット検索をしたところ、桜ライン311のサイト内で植樹会を行っていると知り、2013年秋の植樹会に参加しました。

陸前高田市を訪れたのはその時が初めてだったのですが、大きな被害があったと見聞きはしていたものの、実際に更地になった町と沿岸に残った瓦礫を見て、いかに大きな被害であったのかを実感し、言葉を失いました。

 

― 人々との接点ができる事に価値がある ―

植樹会では、県外から参加される方の多さに驚きました。私と同じような気持ちで参加している方がいる事を知り、参加者の皆さんから刺激を受け、今後も活動を続けていきたいと強く思いました。そして、津波の被害の大きさを後世に伝えていく事の重要性を感じるようになりました。

また、目標の17,000本に対してまだ1割にも達していない状況で、決して平坦な道のりではないと思いますが、着実に進んでいる姿に心を動かされました。津波の到達地点に桜を植樹していくという桜ライン311の活動の主旨に共感したので、マンスリーサポーターや植樹会・草刈りボランティアに参加することで、これからも継続的に関わっていきたいと思いました。

2017年には桜ライン311の草刈りボランティアに申込み、陸前高田に来ましたが、あいにくの悪天候で中止になってしまいました。なので今回、2018年7月にようやく参加することができて、嬉しく思います。スタッフの方々とのやり取りはメールでしたが、問い合わせや日程調整に対して素早く対応していただけて、非常に感謝しています。

今日(インタビュー当日)は私の首の高さまである草を刈ったので、すごく大変な作業でした。見た時は腰が引けましたが、スタッフの皆さんが日常行なっている桜の管理を手伝えたので、とても有意義でした。

 

町は、2013年から比べると、盛土がされ、その上に住居の建設がぽつりぽつりと始められており、着実に復興に向かって進んでいました。しかし復興が進むにつれ、被害の状況が目視できなくなってきているので、この先津波に対する意識が薄れていってしまうのではないかという怖さも同時に感じています。

ボランティア活動を通して貴重な経験ができている事と、同じ活動に携わる人々との接点ができる事に価値があると思っているので、これからも続けていきます。

 

― これから支援を考えている人へ ―

ボランティア活動をしてみたいけど、現地まで行く勇気がなく、その先の一歩が踏み出せない方は、難しいことは考えずに、1度でいいから経験してみてください。共感できる何かがきっとあると思います。自然災害を他人事にせず自分ごとにすれば、活動を続けていきたいと思えるはずです。

私は桜ライン311とは別のNPO法人でも東北支援のボランティアをしていますが、そこで「近年、ボランティアの数が激減している」と聞き、自分がやらないといけないと強く思っています。

東日本大震災発生時、私は仕事中で、愛知も揺れましたが震度2と小さかったので、あまり気に留めていませんでした。ところが、時間が経過するにつれて職場が徐々に騒がしくなり、何事かとインターネットを見たら、東北で大きな地震があった事を知りました。

東北を訪れボランティア活動をしていくうちに、防災意識が高まりました。愛知県も南海トラフ地震がいつ起こるか分かりません。いざという時のために、日々準備をしています。防災グッズを揃えましたし、これからもボランティア活動を続けていく上で、自分の知らないことを吸収し、糧にできればいいと思い、防災コーディネーターの資格取得に向けて勉強を始めました。また、自分のできる事をと考え、私の東北での経験をブログにまとめて発信しています。

私は自動車メーカーに勤めているので、災害時における電気自動車の可能性について、周りの人たちに話しています。電気自動車は私の趣味でもあるのですが、電気自動車を使って仮設住宅で炊き出しをしたことがあります。電気自動車の電気を使ってお湯を沸かしたり、ラジオを聴いたりすることができます。災害時の電源として電気自動車は活用できるので、その可能性を広めていきたいです。

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