東日本大震災から8年となりました。


「私たちは悔しいんです。」
その言葉を胸にすることなった東日本大震災から8年。私たちの最初の植樹地である陸前高田の浄土寺です。今日この日も復興に向けた槌音が響いています。

2011年夏頃、あの東日本大震災は未曾有でもなく、1000年に一度程度の頻度で発生することを聞いた時に私たちの胸に込み上げてきたものは「悔しさ」でした。もし20m近い津波が来ると分かっていたのなら、これだけの人が亡くなることはなかったのではないか。

平らな場所に街ができることは避けられなくても、次の時代の命だけは守りたい。そのために津波の最大到達地点に桜を植え、後世に伝えたい。こうして私たちの桜ライン311は2011年10月に始まりました。その総延長は170km。陸前高田市内の最大津波到達地点に10m感覚で桜の木を植え、17,000本の桜並木を後世に伝えることを目標にしました。2011年11月に植樹を開始、これまでに地域の住民の皆さまだけではなく、日本全国の皆さまに共感とご尽力を頂いてきました。本当に心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。

あの日から8年、陸前高田の街は復興に向けて今日も歩みを続けています。中心市街地ではいち早く店舗の再開をされた方が営業を開始し、徐々に、でも確実に街らしい姿になってきました。昨年には駅も再開、「まちびらき」も行われました。しかしながら今も7割近くの方が店舗や自宅建設の利用予定がないとアンケートに回答するなど、復興計画から時間が経つことで生まれる課題も大きなものになってきています。決して容易な事ばかりではなりませんが、この陸前高田の復興は街に関わる全ての方にとっての大きな願いです。

一方で震災の直接的な痕跡はほぼ姿を消しました。震災の痕跡が消えていくことは、復興の過程のなかで避けては通れないことです。消えていくことが正しいことでもあり、見えなくなるからこそ気持ちが整理される方もいるのも一つの事実です。しかし教訓だけ後世に伝えていかなければ、私たちと同じ思いをする方がいつか生まれてしまうでしょう。そのことだけは避けなければなりません。

私たちの原動力は「悔しさ」。それが晴れることはきっとありません。でも今の私たちを支えているのはそれだけではありません。植樹の許可を頂き、共に植え育て、語り継いでいく地域の皆さまがいます。共感を頂き、寄附をし、植樹に参加し、共に歩もうとしてくれる全国の皆さまがいます。東日本大震災を無かったことにはしてはいけない。それは私たちだけではなく、全国皆さまの願いなのだとも強く感じます。先日9日の植樹会でもその心強さを感じる瞬間が多々ありました。

この事業はこの街の次の命を救うために始まりました。重ねて私たちは今、日本全国の災害で失われる命を少しでも減らせないかと考えています。日本全国で災害は繰り返し発生し、南海トラフ地震をはじめとして大規模な災害が予想されています。東日本大震災の教訓を私たちだけのものにせず、より多くの方にお伝えすることで、災害による犠牲者を一人でも減らすことはできないか?その思いで日本全国の皆さまとの植樹会を続けています。災害で命が失われることで生まれる悲しみを、少しでも減らすために。私たちの教訓を日本全国の方にお伝えしたい。

東日本大震災によって今も多くの人が傷ついたままです。しかし記憶も、悔しさも、教訓も、そして未来への思いも含め、全ての人が意味を持てる東日本大震災にすること。東日本大震災があったから、今の私たちがあるのだと思えるようになること。傷ましいものだけではなく、愛でられるものとして桜の並木が人々に伝わっていってほしいと願っています。それこそが私たちの目指す伝承だと思っています。

伝承とは簡単なことではありません。一時的な取り組みではなく、連綿と多くの人々が思いを持ち続けてこと成し得るもの。私たちの事業はまだ始まったばかり、これからも多くの皆さまにご参加いただけるよう続けてまいります。私たちはこの桜の下で笑うことはできないかもしれません。でも次の世代の人々にはその下で笑顔になってもらいたい。
桜の花が春に固い蕾を開くように、減災の意識が多くの人に根を張り、根付き花を咲かせる日が来ることを信じて歩みを続けていきます。

東日本大震災で亡くなられた全ての方のご冥福をお祈りして。

認定特定非営利活動法人 桜ライン311
代表理事 岡本翔馬 理事スタッフ一同

コメント: 2件

  1. 今晩は、お世話になります、今月の桜ラインの植樹に参加します、去年植樹した、桜の成長が楽しみです

  2. 桜ライン311の皆様、温かい勇気と前向きな希望をいつもありがとうございます。
    女房が秋田出身ということもあり、夫婦共々応援させて頂いております。
    また、寒かった8年前の3月25日の早朝に陸前高田市に愛知県一宮市から、ダウンジャケットを3,000枚お届けすることができました。
    何回か夫婦や社員旅行で伺いましたが、
    次回は、桜の植樹に是非参加したいと思っております。
    当時小学校6年生だった次女も20歳となり、成人式を迎えました。
    その次女も連れて一緒に行きたいと思っております。後世にこの思いを伝えていくためにも・・・。 

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